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2)水辺施設整備
緩傾斜護岸、突堤、ヘッドランド等の整備にあったては適当な間隔で緩やかなスロープを設け、移動障害者も水辺を楽しめる工夫が必要である。

 

《解説》
基本的に海域制御施設は、国土保全を目的としており、人の利用を考慮し整備されていない。しかし、近年の海洋性レクリエーション活動需要の増加により海辺を生活の場として取り込む傾向が見られることから、海域制御施設へのアクセス計画、利便施設の整備も検討すべきである。
また、障害者が海水に触れたり、海水を安全に享受するためには、障害者の恐怖感をできるだけ除くような、離岸堤やヘッドランドのデザインに配慮すべきである。さらに、障害者は接波や水のしぶきが直接顔に触れるとより恐怖感を覚えるので、海域制御構造物は極力波高を低く押える必要がある。
参考までに人の利用を考慮した海域制御施設の事例を示す。神奈川県のヘッドランドでは、ヘッドの両サイドに緩やかなスロープを設けるなどの親水性を高める計画が進行している(写真6−1−1)。一方、アメリカでは、防波堤にフィッシング・プラットフォームを設け、その段差をスロープで解消し、車椅子でも釣りをすることができる手すり高の配慮がなされている(写真6−1−2)。

 

 

 

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